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【P-035】情報教育と連携したスマート農業学習プラットフォームの構築
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SPACEBLOCKを核とするスマート農業学習プラットフォームを開発し、土壌水分・温湿度データをリアルタイムに可視化しながら、プログラム制御によるチューブ点滴で自動灌水を実現。これにより給水量を大幅に削減し、省スペース栽培も可能となった。今後は取得データを教材として公開し、作物生育改善を競うコンテストを開催して、農業課題の解決とデジタル農人材の育成を同時に推進する計画である。
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- 情報教育と連携したスマート農業学習プラットフォームの構築 Building an Integrated Smart-Agriculture Learning Platform Bridging ICT Education and Farming Practice 谷山 詩温 大阪公立大学 スーパーシティ研究センター taniyama@omu.ac.jp キーワード:IoT/スマート農業/SPACEBLOCK/クラウドセンシング/データ駆動型栽培/人材育成 背景・目的 わが国ではIoT機器やクラウドサービスの普及にもかかわらず、現場でそれ らを運用できる人材が不足し、導入後の効果検証やデータ利活用が停滞してい る。特に農業分野では、高齢化と担い手不足により技術導入と人材育成の ギャップが深刻である。本研究は、このギャップを埋めるべく「学習コンテン ツと実証圃場をクラウドで一体化する」ことを目的とし、最も導入しやすい育 苗に焦点を絞り、若い世代が農業に目を向ける契機を創出することを狙う。 Fig.1 プラットフォーム全体像(データフロー図) ●スペースブロック 温湿度センサ 温度:21.8℃ 湿度:70.9% 場所:育苗ハウス入口から、 右列の3段目入り口側 ●TANITA温湿度計 温度:24.3℃ 湿度:56.0% 場所:育苗ハウス入口から、 左列の4段目奥付近 ※神戸市北区ハウスにて 本観測データでは、5月中旬から 下旬にかけて昼夜の寒暖差と気 温・湿度の逆相関が顕著に現れた。 日中には40℃前後の極端な高温 が観測される一方、夜間や早朝に は10℃前後まで低下し、湿度は 高温時に低下、低温時に上昇する 自動潅水前後における温湿度のグラフ 傾向を示した。これらの結果は、 (計測は5月3日から28日まで) 局所的な環境条件が大きく影響 している可能性を示唆した。さらに観測値を精査すると、急激な 温湿度変化が数時間単位で生じており、都市的要因や放射冷却の 影響が複合的に作用していると考えられる。この特徴は、気候変 動や極端気象の局所的影響を把握する上で重要な示唆を与える。 Fig.2 方法 SPACEBLOCK(スペースブロック)+土壌水分・温湿 度・焦土+クラウド連携を行った。データはリアルタイム に可視化し、プログラム制御のチューブ点滴で自動灌水さ れた取得データは、クラウド上でスプレッドシート形式に 即時共有され、グラフ生成・ダウンロード機能で解析した 。また、市販の温湿度計との差異についても検証した。 標準キット構成 (スチールラック+SPACEBLOCK+各種センサ) 標準キット構成(スチール ラック+SPACEBLOCK+各 種センサ)は、クラウドと連 携した統合的システムとして 設計されており、教育コンテ ンツとして高い有効性を有す ると思われる。環境データの 計測と制御を一体的に実践可 能であり、導入の容易さに加 え、育苗過程を簡便に再現で きる点は、実践的学習効果を 高める上で有用であると考え る。さらに、他校や地域間で のデータ共有・比較が容易で あるため、協働的学習やDX 推進にも大きく寄与し得る。 Fig.3 自動潅水アルゴリズム(プログラミング画面) 自動潅水アルゴリ ズムは極めて簡便 であり、初学者で もグラフィカルな 操作を通じて容易 に導入可能である。 簡易なコーディン グにより社会課題 の解決に資する IoT実装が可能と なり、実践的学習 への展開性が高い。 また、同様の設定ファイルを他機関へ移管・共有できる柔軟性 を有し、教育現場における学習効果の拡張や学校間連携を促進 する点で、DX推進に資する教材基盤として有効である。 結果 SPACEBLOCKボードにスチールラックと土壌水分・光・温湿度センサーを組み合わせた標準キットを開発し、プラグ &プレイで圃場やラボへ容易に設置可能にした。取得データはクラウド上でスプレッドシート形式に即時共有され、グ ラフ生成やダウンロード機能で解析を支援する。稲作および小規模水耕栽培では自動灌水アルゴリズムを適用し、水稲 育苗の労働時間を手動管理比で90%削減した。 展望 今後は、収集した多様な気象・品種データを統合し、転移学習で高精度な汎化モデル を構築する。その成果を支える基盤としてオープンAPIを公開し、外部企業や研究機 関と連携して機器・AIサービス間の相互運用性を高める。さらに、古民家を改修した 農泊施設でスマート農業体験とSTEAM教育を融合し、地域観光と次世代人材育成を両 立する収益モデルを確立。加えて、カーボンクレジット自動連係の検討を進める。 Osaka Metropolitan University 1-1 Gakuen-cho, Naka-ku, Sakai-shi, Osaka 599-8531, JAPAN https://www.omu.ac.jp/orp/scrc/
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