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【P-027】事業の質的評価手法およびプロセスの開発:エスノグラフィ分析を業務改善適用に向けて
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本発表は、事業の定性的評価の手法について、発表者が関わったある環境系NPO団体の事業評価を紹介するものである。通常、事業評価はKPI等に基づく定量的評価が中心となる。一方で、対象団体は、「数字としてみえづらい」業務を事業の特長に据えており、それをどのように資金提供者に示すかについて悩みを抱えていた。そこで本発表では、エスノグラフィ分析を紹介し、そこから他業種への展開可能性を検討したい。
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- P-027 事業の質的評価手法およびプロセスの開発 :エスノグラフィ分析の業務改善適用に向けて 早川 公 (大阪国際大学) Keyword:文化人類学/応用人類学、エスノグラフィ、定性的評価、参与観察、協働 ◆背景および目的 …応用人類学:文化人類学の方法を社会課題の解決に応用する 文化人類学の応用は、国外(特に北米・北欧)ではさかんに試みられており、近年はビジネス領 域におけるデザイン思考の隆盛などを背景に、人類学の方法や視点が社会課題の解決に資する 可能性が強く主張されるようになった(cf. ケリー&リットマン2006; テット2022)。そこではさまざまなプ ロジェクトを“フィールド”に見立てて、人類学者が伴走しながらフィールドワークに基づく気づ き(Insight)を課題解決に活かす、という方法が採られた。 一方、国内では応用人類学的な取組みは(とくにビジネス領域では)限定的であった。どこで、 本研級では、上述のデザイン思考や北川・比嘉・渡辺(2020)による先進的実践を参照しながら、 比較的短期間のフィールドワークから事業を定性的に評価するための枠組みづくりを試みた。 ◆対象と方法 …環境系事業団体のエスノグラフィ分析 団体名 :関東地方パートナーシップオフィス(関東EPO) 団体概要:環境教育等促進法に基づいて環境省が全国8カ所に設置する持続可能な 地域づくりに向けた環境保全活動や環境教育の推進拠点(プラットフォーム) 運営方式:環境省とNPOの共同運営 関東EPOの活動イメージ図(GEOCウェブサイトより) 【事業運営するなかでの困りごと】 ・事業内容が定量的に測定しづらい …クライアントの態度・行動変容にフォーカスしたい 依頼されたリサーチ・クエスチョン ・事業内容についてたえず説明責任を求められる 「EPOがあることで、つまりどんな良いことがあるのか?」 「EPOと組むことで、どんな成果が得られるのか?」 ◎エスノグラフィ分析…文化人類学者2名(早川+博士課程大学院生)で実施 ①事前ヒアリング…EPO当該事業担当者2名とのOn-MTG…2回(9月・1月) ②研究会の開催…EPOディレクターを公開研究会へ招聘し、討論…1回(10月) ③参与観察…EPO事業(S県F市)のワークショップの参与観察…2回(10月・1月) ①事前 ヒアリング ②参与 観察 ③コアアイ デアの索出 ④レポー ティング ④考察…KJ法による整理とコアアイデアの索出(cf. 川喜田1993)、二人での討議 ◆プロジェクトの結果 …概念化→具現化を現場で複数視点から検証する ①事前ヒアリングで「大切な要素」を概念化 ③Miroを用いてKJ法的に整理 ②人類学者による入れ子的参与観察 ワークショップの参与観察内容の付箋メモ B A EPO的実践 の根底にあ 考え 社会的背景や制 度への目配せ C D E ファシリテーション の技法 関連団体(環境省 ・GEOC・その他) との関係 「クライアント」 との関係 ◆考察と今後の課題 • ①事前ヒアリングにより定性的評価の「大切な要素」を概念化できた • 今回の事業評価は中途の段階 →人類学がフィールドワークで用いるノン・フォーマルインタビューが有効 • 二人体制による②参与観察は効果がありそう →クライアントへの調査を組み込む • 評価を依頼する側(今回でいう関東EPO)と人類学者の関係の整理 →参与観察している人(虫の目)を観察する(魚の目)を同時に成立させる →人類学的フィールドワークの問題点である時間がかかる部分を縮減できそう • 協働を高めるツール(Miro、Googleスライド)を用いたコアアイデアが索出できる →即興的な柔軟な変更をいかに調査仕様書で確保するか • 別事業、別団体に適用可能かどうかの検証 →パートナーとなる団体をさがしています! →オンラインでも「ある程度」までいける可能性がみえた © 2023 Ko Hayakawa All Rights Reserved. E-mail: hayakawa.tsukuba36@gmail.com/k-Hayakawa@oiu.jp
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