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P-042 マツタケの子実体形成を目指した培養実験の現状と展望

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私は、世界中の誰もが「美味しい」と感じられる食事を手にできる未来を目指し、自然環境に左右されずに栽培できる技術に関心を持つようになった。特に、環境破壊や気候変動により入手が困難になっている伝統食材の保存や持続的な供給の仕組みづくりは、今後の食の多様性を守る上で重要な課題だと考えている。その切り口として、私は細胞一つから成長・分化し、人工環境下でも育成可能な「キノコ」に着目した。なかでもマツタケは、赤松と共生する菌根菌でありながら人工栽培が確立しておらず、現在も生産量の減少が続き、需要と供給のバランスが大きく崩れている。先行研究では菌糸の培養は成功しているが、食用部位である子実体の形成には至っていない。そこで本研究では、マツタケの子実体形成条件を明らかにすることを目的とし、新たな培地設計や添加物の効果検証を通じて、人工的な子実体形成の可能性を探る。

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  • マツタケの人工栽培について 渡辺百合子 三田国際学園高等学校 「マツタケ」 Background 私は、世界中の誰もが「美味しい」と感じられる食事を手にできる未来を目指 し、自然環境に左右されずに栽培できる技術に関心を持つようになった。特に、 環境破壊や気候変動により入手が困難になっている伝統食材の保存や持続的 な供給の仕組みづくりは、今後の食の多様性を守る上で重要な課題だと考えて いる。その切り口として、私は細胞一つから成長・分化し、人工環境下でも育成 可能な「キノコ」に着目した。なかでもマツタケは、赤松と共生する菌根菌であり ながら人工栽培が確立しておらず、現在も生産量の減少が続き、需要と供給の バランスが大きく崩れている。先行研究では菌糸の培養は成功しているが、食 用部位である子実体の形成には至っていない。私は、マツタケの希少性を守り ながらも、必要なときに安定して手に入るような人工栽培技術を確立したい。そ こで本研究では、ホンシメジをモデル実験とし、様々な培地設計や新たな添加物 の効果検証のための対照実験を通じて、マツタケの人工的な子実体形成の有用 条件を探る。 先行研究より作製したビン培地では菌糸の成長が遅く、菌糸の蔓延に多くの時間を必 要とし、子実体系生に対する有用な条件が不明瞭であった。そのため菌糸の伸びが可 視化しやすい寒天培地(浜田培地)を用いて、マツタケに適すると考えた以下の5つの 添加物を図のように3パターンに分け、対照実験を行っている。 図6 添加物の種類に対する マツタケの菌糸の成長スピード予想 図7 マツタケの新たな寒天培地の添加物 Results 図1⑴ 農林省「特用林産生産統計調査」 図2 近畿大学 キノコの種類 グラフ Materials and Methods 図8 本研究の対象実験で得られた結果 菌かき、覆土、低温処理 ホンシメジとマツタケの寒天培地・ビン 培地に対する菌糸の成長の対照実験 より、菌糸成長に適する有用条件を図8 にまとめた。 各菌糸に成長に関して Good:有用な反応が見られた点 Unrelated:大きな変化が見られなかった点 Bad:悪影響が見られた点 Unknown:明瞭化できなかった点 Discussions 図3 キノコのビン詰め方式による実験過程 「ホンシメジ」 子実体形成が確立している方法は野外で行った自然環境方式([1])と室 内で行ったビン詰め方式([2])があげられる。本研究ではビン培地を用い て自然環境方式で実験を行った。 今回の比較により、ホンシメジとマツタケで共通する菌糸生育段階の環境要因の有 効条件と、種ごとの特異性が示唆された。ホンシメジでは、初めて覆土や発生直前の 吸水を省略したビン培地でも子実体原基形成が可能であることが明らかとなった。そ のことから、栽培操作を簡略化した培地でも原基形成が可能であることが確認でき た。これから本研究の方法の再現性を高めるため、マツタケと共により子実体形成に 有用な培地条件を検討していく。そのため、マツタケは、有用な瓶培地を作ることを目 的として、寒天培地を中心に新規添加物の効果やPh調整の必要性を比較検討した 実験等を進める。 References 図4 ホンシメジのビン培地内の変化 成果 先行研究では、ビン培地は「刺激」として、覆土と発生直前の吸水が必要 とされていた。しかし、これらを省略しても、暗所・適温・軽度な菌かきな ど簡易な管理で子実体原基形成が可能であることが明らかとなった。 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. 19. 20. マツタケの人工栽培の現状 https://x.gd/xRiFG 農林省「特用林産生産統計調査」 https://x.gd/Wq5uY キノコ マツタケ https://x.gd/Nm5xs 近畿大学 マツタケ菌糸の培養 https://x.gd/Pktc6 キノコの菌の分類 https://x.gd/aW0PK キノコの子実体 https://x.gd/fG6Qc キノコの分離方法 https://x.gd/6AS9s ブナシメジのビン詰め栽培 きのこの基礎科学と最新技術_1991.pdf ホンシメジの人工栽培 https://x.gd/KGsq3[1] https://x.gd/hzY43[2] キノコ 栽培ビン https://x.gd/2ilT7 https://x.gd/8YKBj マツタケと界面活性剤 file:///Users/watanabeyuriko/Downloads/39-47030%20(2).pdf 菌根菌 炭素源 https://x.gd/ZEqBB グルコース https://x.gd/u6Suo マンニトール https://x.gd/BNMvr 芳香族アミノ酸とマツタケ https://x.gd/JEwNp マツタケの好むPh https://x.gd/1WSmU マツタケ 弥生土培地 file:///Users/watanabeyuriko/Downloads/39-47030%20(2).pdf 赤玉土小粒 https://x.gd/GYRQ3 浜田培地 https://x.gd/vzJMf ●Matsutake and Honshimeji were provided by FMRC through the NBRP of the MEXT, Japan. ●本研究で使用した菌株は文部科学 省主催のナショナルバイオリソースプロジェクトのきのこリソースの中核的拠点であるFMRCより提供を受けて行った。

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