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【P-021】早押しクイズから解き明かす人の知性:認知科学的アプローチに基づく事例研究

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webメディアなどの隆盛に伴い、今や1つの文化として注目されている早押しクイズ。しかしその知的な娯楽・競技の背後にある人の判断や行動の機序は未解明です。本研究では、心理学・認知科学のアプローチから、早押しクイズに見られる「人ならではの知性」に迫ります。
■ 研究クラウドファンディング挑戦中!ご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします
https://academist-cf.com/fanclubs/300

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  • 早押しクイズから解き明かす人の知性: 認知科学的アプローチに基づく事例研究 白砂大 (しらすなまさる) 1; 小坂健太(こさかけんた) 2 1 追手門学院大学; 2 関西外国語大学 Contact (白砂大) m.shirasuna1392@gmail.com 背景 昨今、単に「問いに答える」という点では AIが人を凌駕しつつある 早押しクイズに「人の知性」あり! ・競争、不確実性など、様々な認知的要素が絡む (限られた情報の中で、瞬時の正確な判断が必要) ・しかし、早押しクイズにおける人のふるまいを 行動データから検証した研究は存在しない しかし長年、「人」が行う早押しクイズが 親しまれている アカ、ムラサキ、バフン/ など の種類がある、その卵巣や精 巣が珍味として知られる棘皮 動物は何でしょう ウニ 人は、情報が(不)十分な中でどのような判断を見せるのか; 実際のクイズ大会のデータを用いて検証 → 早押しクイズのエンターテインメント性、ひいては「人の知性」の新たな理解につながる可能性 方法 ■ 題材: クイズ大会「abc 18th 決勝ラウンド」(2020年8月開催) https://abc-dive.com/portal/index.php/what-abceqiden/abc-point ・全7セット制。3名による3セット先取の早押しクイズ。 ・どのセットにおいても、7問正答するとセットを獲得。 ・第1セットは1回の誤答、第2セットは2回の誤答、…、 第7セットは7回の誤答で、そのセットにおいて失格 (2名が失格となった場合、残る1名がそのセットを獲得)。 ※ 本題材では、全4セットで決着がついた(使用問題数89問) ※ 大会公式動画 https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=Cglcgpan1Ao ※ 大会実行委員会様より学術利用の許可をいただいたうえで分析を実施 ■ 分析:「どの程度、情報が不十分な状況でボタンを押したか」を定量化 (不確実指標) 【例】その社名は「巣立つ」という意味の英語「leave a nest」に由来する、この超異分野学会を主催している企業は何でしょう A. 株式会社リバネス ・値が大きいほど、情報が不十分(i.e., 不確実性が高い) ・確定ポイントちょうどで押した場合は「1」 ・スルーの場合は「0」 (「情報がすべて出揃った≒不確実性がない」と見なせるため) 結果と考察 全体的な傾向 平均 1.31 平均 1.63 セットごとの傾向 平均 1.92 平均 1.52 ※赤線: 当該セットにおける不確実指標の平均値 ※点線: 不確実指標 = 1 (i.e., 確定ポイントちょうどで押された) 💡 多くの問題において「不確実指標 > 1」 → 情報が不十分な(i.e., 正答が一意に確定されていない)状況でも 回答者はボタンを押している (必ずしも「正答が分かってから押している」のではない) まとめ・展望 早押しクイズにおける人の行動・判断を、認知科学的に検証 (「不確実性(≒情報の不十分さ)」を定量化) ・不確実性の高い状況でも、多くの(時に正確な)判断を行える ・誤答の猶予に応じて、判断方略を切り替えている 「問いに答える」を超えた駆け引きに、 早押しクイズのエンタメ性の本質や、人ならではの優れた知性が潜む? e.g., -「いつ行動・判断を起こすべきか」の判断 - 限られた情報から、質問者の意図を理解・予測する能力 …本研究は、早押しクイズを行動科学の視座から検証するための礎に Special thanks! 白砂仁(しらすなひとし) (1×で失格) (2×で失格) (3×で失格) (4×で失格) ※ セットを独立変数、不確実指標を従属変数とする 分散分析モデルを仮定 ※ MCMC(マルコフ連鎖モンテカルロ法)に基づいて、 不確実指標の平均値と95%CI(信用区間)を算出 💡 第1セット(1問誤答で失格)のみ、 95%CIが1をまたいでいた → 誤答の猶予がない状況では、 回答者はより慎重に情報を得る (比較的長く問題文を聞いて、 不確実性を下げようとしていた) 謝辞 本研究は、学術系クラウドファンディング 「academist」のプロジェクトとして行われま した。サポーターの皆様に感謝いたします。 本クラウドファンディングの プロジェクトページはこちら→ ご支援のほど、 よろしくお願いいたします。

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