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保育者の感受力育成における子どもの視線注視の一考察
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子どもの本来持っている主体的な意欲・心情・態度を保証することが保育であり、その為に子どもを理解する事が保育者の力量であると考える。この力量は、経験だけで獲得できるものでもない。
そこで、子どもの周りの全ての環境に関わる窓口の視覚に注目し、子どもの目線の先を子どもと共同注視することで、子どもの内面で起こっている様々な情報の処理(比較、過去の記憶と照合、判断、決断など)に想像をめぐらし感受し、その後に起こる子どもの言動と保育者のずれを可視化していくことで、子どもの理解と的確な援助ができると考える。
この立証をすることで、幼児教育ばかりでなく子育てにおいても、無理のない子どもの本来の好奇心や探求心を伸ばすことができると考える。
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- 保育者・教師の感受力育成における 子どもの視線注視の 一考察 子どもの願いを知る方法の研究を通した、子どもの願いを叶えられる 保育者・教師の育成に向けた、社会実装研究に向けて 碓井幸子(清泉女学院短期大学) 小松仁美(清泉女学院短期大学)
- 子どもの視線の先を見つめることの意義 • 本来子どもにある主体性を引き出すためには、保育者は、「子どもを みる」「子どもの視点に立った見方」が重要であるということは、経 験的にわかっているが、その視点は曖昧のままである。 • 子どもをわかるようになっていくには、「今、何をしていた」と漠然 としたアプローチではなく、子どもの見ている全て(もの・こと・ 人・自然)に観察者は注意を向け、子どもの“見ている=思考してい る”を共に思考し、「この子は、○○を見て、何を考えているのだろ う」と問い、子どもが次に表出する様々な行為により、子どもと自己 の違いから子どもへの理解が深まり、子どもに無理のない援助と導き の力量が構築されていく。また、このことが、経験を単につみ重ねて いくことではなく、特に、新人教育(OJT)の中で有効であることを 経験的知見として有する。
- 子どもの見るモノを観察する保育実践 • 保育者は子どもの環境の一部であり、援助者であり、同時に、よき観 察者である必要があるが、多くの子どもを見る、観察するというとき、 子どもの表出された言動に注視してしまう傾向があるのではないか。 • 子どもと良好な関係を築くことができ、子どもに自然に寄り添い、子 どもが主体的に活動できる環境をつくるためには、子どもが何を考え ているのかを考察する際、子どもの目線の先にあるモノやことを共に 見ながら、子どもの思考の予想と行動予測をつかむ訓練が必要ではな いか。 • 保育者が子どもに対し、積極的に「共同注意」を行うことで、子ども だけが遊んでいる空間に子どもの援助者として存在する行為ととらえ なおすことができる
- 保育者は子どもを観察している 子どもの表出(子どもの言動・行為)に反応するから、 子どもの目線の先にあるモノを子どもと共同注視により、 その時の子どもの思考を想像し、次の行動を予測する
- 「共同注意」できる保育者・教師を育てるために • ソーシャルスキルスの一つでもある「子どもの目線の先にある環境を 見る力」は、「資質」とも解釈され、生まれ持った感性や育ちの中で 獲得の機会を得ていない場合、新人保育者/保育者養成校に通う学生 の「保育者・教師としての育ち」をいかに保障するかが、保育・教育 の質の維持、向上には欠かせない。 • 保育・教育経験の中で獲得する様々な技術の一つとして、意図的に学 習する必要があるが、カリキュラム上や教科書、また保育・教育の中 で、このスキル獲得の方法は十分に準備されていない • 専門職者としての一定以上のスキルの獲得には、できるようになるた めのトレーニングを意図的に埋め込む必要がある • トレーニング方法の確立が本研究の狙い
- 「共同注意」できる保育者・教師を育てるために • 共同注意を向けながら保育・教育経験や、保育・教育価値観が異なる保育 者・教師の視線や養成段階の学生/保育者(新人・中堅やベテラン)の視線 の違いを可視化する • 学生/保育者・教師がどこを見ればよかったのかを同じシーンで、保育者・ 教師が見ていた視線を追体験することで、自分の見ているモノやコトと、 他の保育者・教師が見ているモノやコトの違いのなかで、「子どもをみる 視点」「子どもに寄り添う」「子どものやりたいを保証する保育・教育」 の言葉の実践を体験的につかめる • 保育者・教師の「みる」とひとまとめにされている行為について、どこを どのように見ているかを分析することで、見る種類を明らかにし、見る動 機と見る種類を結び付けたり、見てわかったことと見る種類を結び付ける、 見たことと表出された言動を結びつけるなどして、子どもが様々な環境に 肯定的に取り組めるような援助と環境を整えている保育者・教師の見る行 為を分類し、子どもの理解と保育・教育の方法の理解につなげる
- 保育者・教師が、子どもの視線の先 に視線を合わせる調査研究に、参加 してくださる視線分析・VR研究者の 方々募集中です。 漠然とした、経験による保育者・教員の育成の現場に風穴を開け、 幼児期の教育の質向上のために、VR研究の力を貸してください。
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